- 普段何気なく使っている電気の安全性について知りたい
- コンセントや照明までどのようにして電気がきているのか知りたい
- ブレーカーの役割がよくわからない
こんにちは、よつめです。
今回は『最低限の電気知識Part1』の続編となる内容になります。
まだ読まれていない方は、こちらの記事も読んでいただければ幸いです。
皆さんは普段何気なく使っている電気の安全性について考えたことはありますか?
電気は目には見えないため、使用方法を間違えれば電気製品が損傷したり、感電や火傷のようなケガ、最悪の場合は死に至るケースもあります。
そのような事態にならないように、皆さんのお住まいの家にはブレーカーと呼ばれるさまざまな保護機能を持ったスイッチが取り付けられています。
- ブレーカーって何のために付いてるの?
- そもそもブレーカーの役割や機能を知らない
と言う方もいらっしゃるかと思います。
そんな方に本日は、『第二種電気工事士』の資格を持っている私、よつめが電気の基礎知識を紹介させていただきます。(数回に分けて紹介いたします)
読んでいただいた皆さんの電気知識向上にお役立ていただけたなら幸いです。
ブレーカーの役割や機能を知っておくことで、ブレーカー動作(下がる)による停電時に、おおよその原因を見極めるポイントにもなります!
家の電気設備
こちらではブレーカーが集約されている分電盤や、家の外から中にどのようにして電気が送られてくるのかについてを説明いたします。
分電盤とは?
まずは分電盤について説明いたします。
分電盤はさまざまな保護機能を持ったブレーカーが集約されているところになります。
大抵は樹脂製のものに囲われておりますが、古い住宅だと木板に取り付けただけのところもあります。
『えっ!?停電じゃん!!』
となった時に真っ先にするのがこの分電盤内のブレーカーの動作状況(ブレーカー下がっていないか)の確認になります。
どこに分電盤が取り付けされているか事前に確認しておきましょう!
大抵は手を伸ばして届くか届かないかという場所に取り付けされているため、停電時の際を考えても近くに脚立などを準備しておくと安心です。
ご家庭によっては分電盤が複数取り付けされているため、事前に取り付け位置を確認しておくことで停電時の不要な混乱を避けることができます!
電気はどのような経路で流れる?
一般的に電気の流れについては下記の図のとおりとなります。
ご家庭によって配線状況やブレーカーの取り付け数に違いがある点についてはご了承ください。
電気は①〜⑥を順番に経由して各部屋のコンセントや照明にたどり着きます。
財産分界点を境目に電力会社と家の管理者との保安責任・財産区分が変わってきます。
財産分界点以降にある、電力量計と契約ブレーカーは電力会社の所有物となります!
家の電気設備の種類と役割
ここでは、電気の流れに沿ってご家庭の電気設備を説明いたします。
家の電気設備には財産分解点(電力会社と家の管理者の設備境界)があります。
- 電力会社の所有物=電力会社で保守・管理
- 家の管理者の所有物=家の管理者で保守・管理
電力会社の電気設備以外の改修・故障修理は家の管理者が費用を出して専門業者へ改修依頼をする必要があります!
故意過失により、電力会社の所有物に損害を与えた場合は、改修費用を請求される場合があるので注意が必要です!
引込線
引込線については、電力会社が所有する電気設備になります。
引込線の取替や故障による改修は電力会社で行います。
ご家庭の電気の契約容量に合わせた太さの引き込み線が取り付けされており、架空方式(空中をとおす)や地中方式(地面をとおす)があります。
引込線と屋内配線の接続点が財産分界点(電力会社と家の管理者の設備境界)となっています。
基本的には財産分界点の接続点まで電力会社で保守・管理します!
引込口配線
引込口配線については、家の管理者が所有する電気設備になります。
引込口配線の取替や故障による改修は家の管理者で行います。(専門業者へ依頼)
ご使用の電気の契約容量に見合った種類の引込口配線が家の壁面に取り付けされており、樹脂製の管の中に入っているのが一般的です。
電力量計
電力量計については、電力会社が所有する電気設備になります。
電力量計の取替や故障による改修は電力会社で行います。
ご家庭で使用している電力量を計測する電気機器です。
電力量計が家の壁面に取り付けされており、電力量計の種類にはアナログメーター(円盤式)とスマートメーター(電子式)があり、現在は遠隔検針が可能なスマートメーター(電子式)が主流となっております。
- 通信機能により遠隔検針が可能
- 30分毎に電気の使用量を計測できる
- ブレーカーが内蔵されている(契約ブレーカーとして使用できるものもある)
契約ブレーカー(アンペアブレーカー)
契約ブレーカーは、電力会社が所有する電気設備になります。
契約ブレーカーの取替や故障による改修は電力会社で行います。
- 契約容量以上に電気が流れた時(使いすぎた時)に自動的に遮断される
- 契約ブレーカー以降の電気配線で短絡(ショート)した時に自動遮断される
③電力量計(スマートメーター内のブレーカー)や⑤主幹ブレーカー(漏電遮断器)が契約ブレーカーとなっている場合は、契約ブレーカーの取り付けが不要となります。
主幹ブレーカー(漏電遮断器)
主幹ブレーカー(漏電遮断器)については、家の管理者が所有する電気設備になります。
主幹ブレーカー(漏電遮断器)の取替や故障による改修は家の管理者で行います。(専門業者へ依頼)
主幹ブレーカー(漏電遮断器)を契約ブレーカーとして使用する場合は、下記の機能②を有した主幹ブレーカー(漏電遮断器)を取り付けする必要があります。
古い住宅に取り付けされている主幹ブレーカー(漏電遮断器)は、機能②および機能③を有していないものが取り付けされている場合があります。
- 漏電遮断機能
・主幹ブレーカー(漏電遮断器)以降の電気配線で漏電を検知した時に自動遮断される。 - 過負荷・短絡保護機能
・主幹ブレーカー(漏電遮断器)の容量以上の電気が流れた時(使いすぎ)や、主幹ブレーカー(漏電遮断器)以降の電気配線で短絡(ショート)を検知した時に自動遮断される。 - 中性線欠相保護機能(単相3線式の場合)
・異常な電圧を検知した時に自動遮断される。
一般的にご家庭の電気の配線方式は『単相3線式』と『単相2線式』が使用されます。
単相3線式は電線が3本(赤、白(中性線)、黒)となっており、何らかの要因で中性線切れた時に、異常な電圧が加わり電気製品が故障してしまう可能性があります。
中性線欠相保護機能が付いていれば、中性線が欠相(切れても)しても異常電圧を感知して瞬時に電気を遮断するため、配線につながる電気製品を保護することができます。
単相2線式は電線が2本(黒、白)のため、電線が切れても異常電圧が加わる恐れがないため不要な機能となります。
分岐ブレーカー
分岐ブレーカーについては、家の管理者が所有する電気設備になります。
分岐ブレーカーの取替や故障による改修は家の管理者で行います。(専門業者へ依頼)
一般的には20Aの分岐ブレーカーが取り付けされています。(IHクッキングヒーター向けなどの分岐ブレーカーは30Aが取り付けされています)
- 容量以上に電気が流れた時(使いすぎた時)に自動的に遮断される
- 分岐ブレーカー以降の電気配線で短絡(ショート)した時に自動遮断される(契約ブレーカーで動作する場合もある)
一般的な家庭用の電圧は100Vとなるため、
20A×100V=2000W(消費電力)
一つの分岐ブレーカーで使えるのは2000Wまでとなります。
消費電力は電気製品に記載されているのでご確認ください。
すべての分岐ブレーカーを20A以下で使用しても、トータルで契約容量を超えれば契約ブレーカーが動作するので注意が必要です!
まとめ
いかがだったでしょうか?
普段何気なく使っている電気も、さまざまな機能を持ったブレーカーに守られているんですね!
分電盤の位置や各ブレーカーの役割や機能を知っておくことは、停電などの有事の際でも慌てず冷静に行動できる心の支えになるかと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後も続編として『最低限の電気知識』を紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
では、本日はこれにて失礼いたします。